雪景色

二週続けての週末の雪で関東地方は大変なことになってます。

 

先週は、十数年ぶりの大雪、から、四十数年ぶりの大雪、と、都会の雪模様のニュースが飛び交った週末でした。

四十数年前って、あの、小学校のまでの道ををずぼずぼと長靴で歩いてまっさらな校庭の雪景色に足跡をつけた、あの日・・・?

 

続くこの週末の雪も驚きですが、ほんと、先週の雪は粉雪で夜中降っていたので、綺麗に積もりました。

そして、音も吸収してしまうので、静かな朝だなぁ・・・、と思っていたら、電車止まってるし・・・。

雪国の人に笑われるでしょうが、「不要、不急の外出は控えるように」の天気予報の言葉に、一日の予定がすべて吹っ飛び、綺麗だね・・・、といいつつ、一歩も外に出ず、さらに「明日車出せるかしら?」と不安になりながら過ごした週末でした。

この雪景色に、先週末の「美の巨人たち」は鈴木春信の「雪中相合傘」でした。

なんと、ぴったりなこと。

六華庵とのお付き合いができ、浮世絵や錦絵を以前より見るようになり、最初にとても気になり、好きになった作品のひとつです。

この静かな冷たい外気、それでいて、ふたりの間に明らかに存在する、濃密な温度のある空気感。

空刷りが施されていて、色を使わずとも、感じることのできるふんわりと積もった雪の感触や白着物の絹布感。

部分的に使われる紅色の効果。

どこをとっても完璧な構図と技術。

錦絵、スゴイ!!

 

この作品は海外でもとても人気がありました。

特にメキシコでは、質問をたくさんいただきました。

空刷りの技術にとても興味があるようで、着物と雪の摺わけに感心する方が多くいらっしゃいました。

そして今週もまた大雪。

先週の雪もとけきらず、その上にのった埃を隠すように静かに積もっています。

 

目前の雪景色に、この作品を改めて見ると、さらにその雪部分の冷たさや光の集まる様子などが思い浮かびます。

ここにも日本人の遺伝子が何かを感じているのでしょう。

雪景色を「美」ととらえるこの感性。大事にしたいものです。

・・・雪国の方には甘い話でしょうが・・・。

 

浅草六華庵ではこちら鈴木春信の「雪中相合傘」長尾版画版を扱っております。

ぜひ、その技術と清々しい雪景色を一度ご覧ください。