KATAGAMI展と江戸の蕎麦

先週末、三菱一号館美術館で開催中のKATAGAMI展へ行きました。

このところ、自分で展覧会を企画して持って行った割には、忙しさを理由に展覧会に行っていませんでした。

KATAGAMI展はぜひ行きたいと思っていました。

 

去年、はなぶさのステンドグラスにkage-eシリーズが加わりました。

たまたま手に入った浴衣の廃棄型紙から生まれた物でした。

Kage-eに使用している型紙
Kage-eに使用している型紙

 

その型紙はそれはそれは、いかにも捨ててしまうのはもったいなく、多くを語っていたのです。

所々、縁がぼろぼろになっていたり、柄の途中が破れていたりしていましたが、全体の柄ははっきりしていました。

型紙を使用した作品
型紙を使用した作品

そして、柿渋のつやは美しく、浴衣の柄としての麗しさを彷彿とさせる物でした。これは、何とかしなくては・・・、と考え、作り出したkage-eシリーズ。

展覧会を見ていて、初めてあの型紙を手にした時を、はっきりと思い出しました。

世界があこがれた日本の型紙技術。その緻密さと精巧さ、それらは江戸の職人の工夫と努力の裏打ちがある物なのですね。良い展覧会でした。

そして、その、美しい技術が生まれた江戸文化にもう一つの華、「食」のセミナーにも参加しまた。

 

江戸美学研究会主催の「守っていきたい江戸の味セミナー・蕎麦」が日本橋、藪伊豆総本店にておこなわれました。

 

お蕎麦は大好物。時々、家人が蕎麦打ちに挑戦しています。打ち立ては香りも高く、本当に美味しく幸せな瞬間です。

少しはお蕎麦のことも知っていたつもりでしたが、いやいや、ご主人の話に一つ一つ納得のお蕎麦の秘密。

江戸の味の変遷、蕎麦の誕生と蕎麦屋しつらえ、蕎麦の特徴、かえしと出汁の取り方、また、お店での通し言葉・・・、など、盛りだくさんの楽しいお話しでした。

驚いたのは、石臼で蕎麦を挽くときの丁寧な仕事。

写真はお店で使用の石臼です。ここに、ほんの軽く一握りぐらい、少しずつ蕎麦の実を投入してゆくのです。

名店とうたわれる老舗の仕事ですね。

もちろん、最後には美味しいお蕎麦もいただき、とても楽しく、美味しい日曜日でした。

これからは、お蕎麦やさんへ行くときの気持ちも変わると思います。

いろいろ見たり聞いたりキョロキョロしそうです。

 

世界に類を見ない唯一の技術と味、江戸の粋に触れることができた、素晴らしい週末でした。